正看護師と准看護師の1番の違いは、正看が国家試験で准看が地方試験という点。准看から正看に転向も可能ですが、最低7年かかるので最初から看護短大や看護大学に進学した方が賢明です。

準看護師から正看護師になる方法は、2年間、養成所(看護短大・大学)に通い、国家試験に合格することです。また、病院に勤務しながら2年間入学金、授業料を出してくれる「お礼奉公」という制度もあります。

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正看護師と准看護師の違い

看護師には正看護師と准看護師があります。最も大きな違いは、正看護師は国家資格なのに対して、准看護師は都道府県知事の資格だという点です。また、准看護師だと正看護師と異なり、仕事内容や給料、将来のキャリア(役職)が制限されてしまいます。以下に、おもな相違点を比較してみました。

正看護師と准看護師の主な違い

項目 正看護師 准看護師
進学方法 3年間の看護師養成所 2年間の准看護師養成所
資格 国家資格(国家試験) 都道府県知事資格(地方試験)
試験日 1年に1度のみ。2月下旬 各都道府県で開催。2月下旬〜3月初旬。
就職先 公立病院・大学病院・総合病院が多い 民間病院・私立病院が多い
キャリアアップ 部長・師長・主任 出世なし
仕事内容 自らの意思・判断で看護できる。 医師、歯科医師、看護師の指示がないと看護できない。
給料水準 やや高い やや低い
長所・短所 師長など現場責任者になれる。 看護学生への教育や指導ができない。

正看護師では最短3年間で病院勤務できるのに対し、(中卒の場合の)准看護師は、正看護師になるのに、少なくとも7年間(准看学校2年+3年勤務+正看学校2年)もかかり、4年も出遅れることになります。

また、師長や主任など役職を目指されている方であれば特に、最初から正看護師学校、看護短大、看護大学へ進学して、国家資格に合格するという道をとった方が賢明でしょう。このほか、就職先、給与、業務の幅、指導・育成という面から、准看護師は仕事や将来が限定されるデメリットは否めません。


准看護師とは

准看護婦になるには、准看護師学校に2年間通い、知事試験に合格すると都道府県知事から准看護師の免許が交付されます。また、地方試験なので、資格は都道府県の管轄で管理され、業務は医師や歯科医師の指示を受けなければ看護できないというデメリットがあります。

つまり、正看護師に比べて仕事が制限され、給与が安く、看護師不足に対応するための暫定的な立場なのが准看護師です。ですから、キャリアアップを望んでいなかったり、結婚するまでの期間、看護の仕事にどうしても就きたいという方には最適な資格だと思われます。

なお、就職先も公立病院に転職できない事はありませんが、正看護師に比べると採用されにくい面もあります。反対に、准看護師のメリットは、複数の都道府県でも受験できる点です。年に1回の国家試験に合格し、なおかつ看護学校を卒業しないと就職できない正看護師に比べ、ハードルは低く、看護師を実現しやすいという利点があります。

また、准看護師をしながら正看護師を目指す方法もあります。2年間、看護師養成所を経て、国家試験に合格すれば、正看護師になれます。俗に言う「お礼奉公」では、准看護師として病院に勤務しながら2年間、正看護学校に通わせてくれる病院もあります。

お礼奉公とは、看護師特有の奨学金のことで、入学金、授業料、実習費用、制服代、教科書代など、卒業までにかかる諸経費を全て捻出してくれる病院と、入学金と授業料だけ免除といった病院もあり、さまざまです。

高卒の准看護師の場合には、2年、看護短期大学または看護師養成所に通い、国家試験を受けます(中卒は3年以上の実務経験が必要になります)。10年以上実務経験がある准看護師は、通信制の看護師学校養成所(2年)の課程を終了し、国家試験に合格すれば、晴れて正看護師として就業できます。


正看護師になるには?

正看護婦とは、国家試験に合格し、厚生労働大臣から交付した「看護師免許」を保有する人のことです。国家試験を受けるには、高等学校(看護科、専攻科で5年間)、看護専門学校、看護短大、看護大学などで学び、卒業見込みまたは卒業した人だけに限ります。

正看護師のメリットは、将来、主任や師長に出世することができ、お給料も高いこと。医師、歯科医師、看護師の指示がなくとも看護業務ができるので、仕事の権限が広がります。

また、准看護師学校では学べない科目があったり、患者さんを見る知識や能力が養えたりするといった側面からも、学費や年数に縛りのない方であれば、正看護師を目指す方が望ましいでしょう。