看護師の離職率は1年以内の勤務者で9.2%〜10%。常勤者の離職率は全体で12.3%と、全体的に高い数字を誇っています。また、国立大学病院の調査では、大学病院に勤める看護師にアンケートをとったところ、44%にのぼる人が「看護師を一度は辞めたいと思った」と回答しています。
この理由の背景には、看護師が専門職で、ハードスケジュールな割りに給料が安いこと、勉強会・看護研究が多く休日が少ないこと、サービ残業が多い等が挙げられます。また、看護師は女性が多いため、結婚や出産により離職者が増えやすい職種だとされています。実際、毎年5万人以上が看護学校を卒業して国家試験に合格していますが、新人看護師が離職するのは「9人に1人」という計算になります。
一方、都会の病院やクリニックは離職率が圧倒的に低いという統計データもあり、離職しない理由として、高給与、夜勤の増員、充実した教育制度が整っている病院は辞めにくいとされています。このため、年次休暇の取得やサービス残業の廃止、診療科目の選択肢の自由さ、復職のサポート体制や、3交代勤務の不規則な重労働を軽減する対応が必要だと言われています。
ちなみに、一般企業では新入社員の1年以内の離職率が15%と、看護師よりもはるかに辞める確率が高く、しかも3年以内の離職者に至っては30%を超えています。この数字から見ても、決して、看護師だけが離職率が高いとは言えないのも現実です。
1年以内の退職者(新人看護師)の多くは、結婚や妊娠、子育てや復職、健康上の問題といった理由や原因で辞めています。医療機関が調べた統計をもとに、パーセンテージの多い順番に掲載してみました。
このように、看護師は女性が多い職場であることから、結婚や出産に配慮した勤務形態、育児休暇後の復職サポート体制の改善、夜勤の人員を増やしたり、残業代を正規で支払う必要があると考えられます。病院特有の超過勤務、夜勤による不規則なリズムの生活の是正が、今後の課題となっています。
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