看護専門学校は、看護師出身校の80%を占め、圧倒的に多いのが特徴。看護短期大学は数が少ないので、4年制の看護大学へ通うケースの方が増えています。

准看護師は2年間の准看護学校の履修と、都道府県知事試験に合格すれば就職できます。一方、准看護師から正看護師を目指すには少なくとも3年間の実務経験と、2年間の短大生活(看護師養成所)を送る必要があるので時間がかかります。

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正看護師、准看護師の資格取得までのプロセス

看護師の資格は、正看護師と准看護師に分類され、准看護師になる為には、3年課程の「高校衛生看護科」か、2年制の「准看護学校 准看護師科」を選ぶ必要があります。

「准看護学校」は2年制で、准看護師を目指す課程です。准看護師は、都道府県知事試験に受かった後、病院へ就業する流れになります。正看護師になるには、中卒であれば、2年間の「准看護学校」を経て、もう2年間、全日制の「看護短大」や通信制の「看護師養成所」、あるいは、定時制3年間の「高等学校専攻科」に通う必要があります。なお、この際、3年間の実務経験(病院での就業)が必要となります。

高卒や社会人の場合は、4年制の「看護大学」や「看護短期大学」を卒業見込み後に、国家試験を受けられます。

いずれの学校を卒業した際も、国家試験の受験資格が認められ、合格すれば正看護師としての免許を取得できます。保健師になる為にはもう1年、保健師学校。助産師になるには助産学校に1年通った後、国家試験を受けます。

4年制の看護専門学校には、この保健師学校や助産師学校のカリキュラムが盛り込まれています。看護大学も、同様、必要科目を履修すれば、保健師や助産師の国家試験を受けられます。

以下は、学校の種類と流れをまとめた表です。

正看護師、准看護師、保健師、助産師の主な課程

卒業 学校名 年数 試験/合格 実務経験 学校名 年数 試験/合格 就職先
中学卒業 准看護学校 2年 都道府県知事試験 準看護師
準看護師の資格 3年実務 看護短期大学 2年 国家試験 正看護師
準看護師 3年実務 高等学校専攻科 2年 国家試験 正看護師
準看護師 3年実務 看護師養成所 2〜3年 国家試験 正看護師
保健師学校or短大専攻科 1年 国家試験 保健師
助産師学校or短大専攻科 1年 国家試験 助産師
高校卒業&社会人 看護大学 4年 国家試験 国家試験 正看護師、保健師、助産師
修士 博士 日本看護協会
看護専門学校 4年 助産師学校、保健師学校、短大専攻科 1年 国家試験 正看護師、保健師、助産師
看護短大 3年 助産師学校、保健師学校、短大専攻科 1年 国家試験 正看護師、保健師、助産師

准看護師を目指すには、たった2年間での免許取得となります。短期間で資格を取ってすぐに働きたい方は、准看護学校を選択。じっくり学びたい方は、4年制の看護大学や看護専門学校に入学するのが賢明でしょう。


看護専門学校と短期大学の違い

看護専門学校(4年制)は、定員数が2万3000人以上に登るという統計データから、正看護師の資格を取得するのに最もメジャーなコースだと言えます。看護師になる比率は、専門学校出身者が全体の80%。次いで、准看護師養成所が多く、1万4000人程度となっています。

一方、短期大学は入学定員が3000人程度ですから、看護専門学校を経由して有資格者になる数が短大のおよそ8倍多いという計算になります。ちなみ4年制の看護大学は、1万人弱。看護大学は4年間、カリキュラムの履修(助産師になるには、プラスαの科目履修要)が必要ですが、最も正看護師への近道です。

看護専門学校の特徴は、臨床実習が多く、現場での実践力を養うのにウェイトを置いています。総合カリキュラムが設けられ、期間は4年間ですが、その間に看護師以外の「保健師や助産師」の受験資格も取れます。厚生労働省の管轄で、卒業すると専門士の学位が与えられます。

また、短大では専門学校よりも看護実習が少なく、自然科学・人文科学・社会科学のカリキュラムが多いのが特徴です。より広いマクロな視点で学ぶため、患者への接し方が変わってくるようです。

看護学校とは違い、期間は3年間。残り1年で、助産師を目指す人は「助産師学校」。保健師を目指す人は「保健師学校」にコースが分かれます。学位は准学士号が与えられ、文部科学省の管轄。また、看護大学卒業では学士号となります。

保健師・助産師の資格を取得しないのであれば、3年間の短大。看護師国家試験に合格して看護師として就業するのがオーソドックスです。

一方、看護専門学校は4年間ですが、保健師・助産師の科目が学べ、国家試験受験資格が得られるのがメリット。入りたい専門学校に「保健師・助産師の統合カリキュラム」が併設されているかチェックして、自分の未来像に合った学校を選びましょう!


看護専門学校と短大の授業料

看護専門学校の授業料は、他の職業の専門学校と比べて安いのが特徴です。学校の規模や施設の充実具合にもよりますが、入学費用が1万円〜30万円。年間授業料で12万円〜80万円程度です。

看護短期大学では、入学金が40万円、1年の授業料が70万円程。また、看護大学では30〜45万円の入学金、授業料は年間50万円〜100万円が目安となっています。

専門学校では、施設・設備費、実習費用が初年度で100万円以内で収まるケースが多く、学費が安いのが利点です。一方、私立の看護大学の場合、初年度に100万円〜200万円以上の経費がかかってしまいます。

看護専門学校は、私立の付属病院、大学の付属病院という形で設立されているため、授業料が安くなる傾向にあるようです。卒業後に大学に編入可能な看護専門学校もあります。

また、専門学校の試験は、「高看レギュラー・准看・第二看」といった試験科目で受験しますが、短大や大学の場合、「国語・数学・英語・理科」の4科目受験が一般的。いずれの学校とも、卒業すれば約90%の確率で国家試験に合格しています。

看護短大は、看護以外の知識も身に付けることができますが、絶対数が少ないのが現状です。実際は専門学校出身の人が圧倒的に多く、専門学校から看護師になる割合は全体の8割にのぼっています。