看護師の現状は、年間約1万人ずつ人員が増えているにも拘わらず、その数字を上回る需要ががある点です。つまり、多くの病院で人材不足の悩みを抱え、慢性的な看護師不足となっています。しかしながら、看護師の免許を取得した「潜在看護師」は全国に約55万人以上いるとされ、リタイヤした看護師が現場復帰することが、医療界の1つの課題だとされています。
また、もともと転職者や離職者は、病院や診療所(クリニック)などの医療施設へ転職する傾向が強く、訪問看護に行く人が少ないのが現状です。にもかかわらず、訪問看護には人材不足のわりに、高度な医療処置を必要とする難病患者が多くいます。
在宅医療は病院のような医療器具がないので、措置が限定されてしまいます。また、高度な専門的知識がある看護師の数が不足しています。今後は結婚や育児で休暇している看護師を中心に、訪問看護への転職者が増える見込みが予想されています。
全国で就業している看護師数は、約87万7000人。准看護師は37万5000人いると言われています(OECDの調査データ)。この大半が女性を占め、看護師・助産師・保健師を含む総就業数は132万人以上にのぼります。
しかし、勤務条件の低さや夜勤の人員不足により離職が増えているのも事実で、深刻な人材不足が叫ばれています。これに伴い、看護師の在籍数が多い病院ほど診療報酬が増加する仕組みが導入され、全国各地で看護師ニーズが強まっています。
また、病床1人あたりの看護師数は、アメリカでは100床あたりの看護師数が233人。フランスで91人であるのに対して、日本は54人と圧倒的に少なく、先進国の中では最低ランクです。看護師にとっては売り手市場の今、より待遇の良い病院へ人材が集まるのは必至です。
看護師の配置基準が新しく制定され、「看護職員1人当たりの受け持ち患者は7人」という基準が導入されつつあります。これは症状が変わりやすい患者1人1人に、手厚い看護を行う目的で、従来の看護師1人当たりの担当患者15人、13人、10人を受け持つ「3基準」に手を加えたものです。
また、看護師の在籍数が多い病院では、診療報酬が割り増しになったため、大規模な病院では、現在も看護師の大量採用が進みつつあります。これには、新卒者、第2新卒者も含まれています。一方、経営力の弱い小規模な病院やクリニックでは看護師不足の懸念が高まっています。
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